宮崎県における口蹄疫問題。いや、問題どころかパニック、パンデミックという状況になっています。


殺処分決定の牛が10万頭を越えそうだといいます(11万頭という報道も)。種牛もかなりの頭数を殺処分しなければならないそうです。国内のブランド和牛のかなりの数が、宮崎県で飼養されている種牛から精子を提供されているといいますが、このまま感染が拡大し続け、種牛にも被害が及ぶとなれば、将来的には和牛そのものの供給体制に支障をきたしかねません。 

このことからも、日本の畜産業の根幹を揺るがす危機が現在進行形で訪れているのですが、とにかく政府の動きが鈍いのです。


発生からほぼ一月経っているというのに、政府の対策本部が発足したのはなんと昨日。つまりそれまでは東国原知事はじめ、県職員の方々が対処に尽力されていたということになります。国内の産業が一つ、存亡の危機に瀕しているというのに、現政府は具体的な方策を1ヶ月もとらなかったということなのです。


この呑気さはいったいなんなのでしょうか。私は東国原知事には、ポピュリズムのにおいを感じてあまり好感はもっていませんが、この件については国よりよほど真摯に向き合っているように思えます。


かたや赤松農水相。4月下旬には口蹄疫発生のきざしありと分かっていたのに、ゴールデンウイークになんと休暇で海外へ。おそらく農水省の心ある官僚はすぐにでも動きたかったでしょうが、大臣の決裁がない以上、勝手に動くこともできない。なんといっても政治主導が現政権の売りですからね。

その結果としての現在の惨状があるわけです。


確認しておきます。
現在、日本国の畜産は存亡の危機です。
それを招いたのは、政府がすぐに動かなかったからです。
県は、できる範囲で全力で対策にあたっています。
宮崎県の関係各者は、断腸の思いで宝である牛や豚を殺処分しています。そのお気持ちたるや、察するに余りあります。
これは、まぎれもなく人災だと、私は思います。
マスコミは、なぜかトップニュースとして取り上げません。現在この問題以上に日本人の生活に影響を与えるものはないというのに。


宮崎県の畜産農家の方々のために何かできることはないものでしょうか。